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AI活用で生み出したいのは、「人が使える時間」です

作業を片づけても、気になっている返信や確認待ちが頭から離れない。考える時間や、人と落ち着いて話す時間が取れない。そんな忙しさを感じるとき、AIで作業を速くすることの、その先も考えてみたいです。

AIを仕事で使う理由を聞かれると、「仕事を速くするため」「効率を上げるため」という答えが浮かびやすいと思います。もちろん、それも大事です。時間がかかっていた作業が短くなれば、助かる場面はたくさんあります。

ただ、僕がAI活用で本当に生み出したいのは、速さそのものではありません。人が、自分の意思で使える時間です。

考える時間。人に会う時間。家族と過ごす時間。地域や未来について考える時間。目の前の処理に追われて後回しになっていた、そういう時間を少しでも取り戻したい。僕は、そのためにAIを使いたいと考えています。

小さな「あとでやらなきゃ」が、頭の中に残り続ける

仕事には、大きな案件だけでなく、小さな未処理がたくさんあります。返信しようと思っている連絡。整理しておきたいメモ。確認しなければならない数字。誰かの返事を待っている案件。今すぐ手を動かすほどではないけれど、忘れてはいけない判断。

一つひとつは小さくても、「あとでやらなきゃ」と頭の片隅に残ります。パソコンを閉じても、食事をしていても、別の人と話していても、完全には消えません。

経営者の仕事は、目に見える作業だけではないと思います。まだ決めていないこと、止まっていること、忘れないように抱えていることも、頭の容量を使っています。忙しさは、予定表の埋まり具合だけでは測れません。

AIへ仕事を分けたら、頭に空きができた

最近、僕自身もAI経営秘書や情報整理AIへ仕事を分けるようになりました。会話や資料から決まったことを整理する。未処理と確認待ちを分ける。次に見るべきものを一覧にする。人が判断する必要のない整理を、AI側へ持ってもらう。

すると、作業時間が短くなること以上に、「頭の空き容量が増える」という感覚がありました。全部を自分で覚えておかなくてもいい。何かを忘れている気がする、という曖昧な不安が少し減る。目の前の相手や、今考えるべきことへ意識を戻しやすくなりました。

もちろん、AIが勝手にすべてを判断してくれるわけではありません。情報が足りなければ間違えますし、仕事の背景や相手との関係まで、いつも正しく理解できるわけでもありません。任せる範囲と、人に戻す条件は必要です。

AIに渡せる仕事はAIへ

それでも、整理する、探す、まとめる、抜けを知らせるといった仕事には、AIへ渡せるものがあります。毎回同じ形式に整える作業や、複数の情報を見比べる作業も、AIが支えられる部分です。

AIに渡せる仕事はAIへ。人間は、考える、会う、決める、つくることに時間を使う。言葉にすると単純ですが、実際には、この分け方を一つずつ見つけていくことが大事だと思っています。

速く終わった分だけ、さらに仕事を詰め込むのではなく、空いた時間を何に使うのかまで考える。そこまで含めて、AI活用です。

人にしか使えない時間を増やす

僕は、AIを人を減らすための道具にはしたくありません。人にしか使えない時間を増やすために使いたい。

誰かの話を聞くこと、一緒に悩むこと、現場で感じること、責任を持って決めること、新しいものをつくること。そこには、人がその場にいる意味があります。

AIが広がるほど、人が何をするのかが、むしろ大切になるのかもしれません。効率化の先で、どんな時間を取り戻したいのか。その時間を、誰のために使いたいのか。

余白がなければ、目の前の処理だけで一日が終わります。少し立ち止まって方向を考えることも、誰かと丁寧に話すことも、急ぎではないからこそ後回しになりがちです。だから、空き時間ではなく、自分で使い道を選べる時間をつくりたいと思います。

一人分の頭に少し余白が戻るだけでも、見えるものや選べる行動は変わります。もし100人分の余白がこの街に増えたら、何が起こるんだろう。そんなことを、僕は考えています。

まず、頭に残っている「あとでやらなきゃ」を一つ書き出してみてください。そのうち、材料を整理する部分と、自分が判断する部分を分けてみる。

AIで整理を試すなら、入力してよい範囲の材料だけを使い、整理結果を自分で確かめる。そこで少し余白ができたら、その時間を何に使いたいかも、一つ書いてみる。まずは、一つの未処理を抱え続けずに済む形から考えてみませんか。

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