チラシやホームページで「お問い合わせください」と案内しているのに、相談につながらない。そんなとき、案内先で相手が迷わず連絡できるか、確かめたことはありますか。
「お問い合わせください」「お申し込みはこちら」。案内にそう書けば、次にしてほしいことは伝わるかもしれません。
ただ、その言葉を書いたことと、相手が実際に問い合わせたり、申し込んだりできることは別です。
問い合わせが来ない理由はさまざまです。ここでは、案内の言葉と行き先でできることのずれに絞って、その一歩を踏み出せる場所や方法まで用意できているかを見てみたいです。
リンクがあることと、行動できることは違う
例えば、催しのチラシに「お申し込みはこちら」と書かれたQRコードがあるとします。開いた先には、日程や会場、内容の紹介がある。でも、申し込む方法は見当たらない。
ページは開けます。情報も読めます。それでも、案内された申込は、まだできません。
リンクが正しく開くかだけを確認していると、この食い違いは残ります。移動先があることと、求めた行動をそこで始められることは、別だからです。
画面を見た人が次に使うのは、送信フォームなのか、連絡先なのか、受付の案内なのか。その手がかりがなければ、行動の方法を読み手が探すことになります。
呼びかけは、行き先への期待もつくる
「詳しくはこちら」なら、内容を見る。「お問い合わせください」なら、質問や相談を送る。「お申し込みはこちら」なら、申し込む。
似たような案内でも、読む人が行き先でできると考えることは違います。
書き手は、ホームページの中に連絡先があると知っているので、トップページへ案内すれば足りると思うかもしれません。でも、問い合わせるつもりで開いた人に、同じ道順が見えているとは限りません。
「その先も探せば分かるはず」を、読む人に引き受けてもらっていないか。
言葉をもっと強くする前に、その言葉が求める動作と、行き先でできる動作を見比べたいです。
言葉を直すか、行き先を直すか
食い違いがあったとき、直し方は一つではありません。
今、問い合わせてもらうことが目的なら、連絡する方法が分かる場所へ案内する。まず内容を知ってもらいたいなら、「詳しく見る」という案内にする。
どちらも、言葉と行き先を合わせる方法です。その前に、相手へ次に何をしてもらいたいのかを決める必要があります。
まだ内容や条件を知らない人に、すぐ申込を求めることが適切とは限りません。反対に、申込方法を探している人へ、紹介だけのページを渡しても、必要な一歩は残ります。
申込前の条件確認や、相談先の選択が必要な場合もあります。その手順を省くのではなく、何を確認し、その後どこから進むかが分かるようにする。
最短で移動させることより、呼びかけた行動までの道がつながっているかを見たいです。
案内の動詞と、着いた画面を比べてみる
名刺、チラシ、Webページから、行動を呼びかけている箇所を一つ選んでみてください。
見る、送る、相談する、申し込む。そこに書かれた動詞を取り出し、案内先を開いて、その動作へ進む場所や方法が分かるかを確かめる。
食い違っていれば、言葉を直すのか、案内先を変えるのかを考える。その案を初めて見る人にも見てもらい、次に何をすればよいと思ったか、どこから進むかを確かめてみる。
書き手にはつながって見える道が、読み手にも見えているかを知るためです。
「お問い合わせください」という言葉を置くだけでは、問い合わせる道は完成しません。
読む人に求めた一歩を、その人が見ている場所から踏み出せるか。案内の表現と一緒に、その行動の場所も点検してみたいです。