AIに提案書の下書きを作ってもらい、最後にこう頼む。
「内容を確認してください」
返ってきたのは、「問題ありません」という言葉。
それを見ると、確認が終わった気持ちになるかもしれません。
でも、ここで少しだけ確かめたいことがあります。
何を確認してもらって、何がまだ残っているのでしょうか。
文章を読めることと、約束できること
例えば、お客様へ送る提案書を準備している場面を考えてみます。これは説明のための架空の例です。
AIには、誤字や読みにくい表現、文章のつながりを見てもらったとします。
その範囲で「問題なし」という返事だったとしても、会社として書かれた納期を守れるか、提示した金額で受けられるかまで確認できたことにはなりません。
社内の予定や、担当者が確認した条件を渡していなければ、AIに判断の材料がないこともあります。
同じ「確認」でも、見ているものが違うんですよね。
文章として自然か。事実や条件が合っているか。会社として、その内容で相手に約束してよいか。
ここを分けておくと、AIに頼みたいことも、人が確かめることも具体的になります。
「何を見たか」を残す
AIに確認を頼むときは、「問題がないか見て」から、一段だけ具体的にしてみます。
誤字、読みにくい表現、文書内で食い違っている記述を確認してください。修正候補と理由を挙げ、外部の資料や社内判断が必要で、この文書だけでは確認できないことも分けてください。
これは依頼文の例で、チェックの完全性を保証するものではありません。
AIから指摘がなかったときも、「頼んだ観点では指摘がなかった」と受け取る。資料のすべてに問題がなく、送信してよいと判断されたことにはしないようにします。
人の確認についても、「誰かが見た」だけでは、何が済んだか分からなくなります。
この提案書なら、金額や支援範囲は誰が、納期は誰が確かめるのか。宛先と添付ファイルは、送る人がどう確認するのか。
毎回大がかりな承認手続きを増やすためではなく、確認したことが重複したり、抜けたりしないように整理します。
最終確認は、実際に送る版で
内容を確認した後で、金額や納期を書き換えることもあるでしょう。
その場合、変更前の確認だけで、変更後の内容まで確認済みにはできません。
変わったところは、必要な人にもう一度確かめる。そのうえで、確認した内容と、実際に送る資料が同じかを見る。
添付するファイルが古い版だったら、本文を何度読み直していても、意図した提案は届きません。
人が最後に確認する対象は、頭の中にある完成版ではなく、これから実際に送るものです。
一つの資料で、役割を分けてみる
まずは、よく送る資料を一つ選んでみてください。
- AIに見てもらうこと。
- 人が根拠に戻って確かめること。
- 誰が、どの内容を確認して送るのか。
この三つを、短く書いてみます。
AIが役立つところを使いながら、会社としての約束や判断も見えるようにする。
「AIで確認済み」という一言を、何が確認できていて、何が残っているか分かる状態へ変えていく。
それが、社員がAIを使って仕事を進めるための土台にもなると思います。
YBBでは、経営者の希望と社員・現場の実情を聞き、一つの実業務からAI活用や業務改善を一緒に試します。AIに任せる部分と、人が判断する部分も、その仕事に合わせて考えます。
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