社員の一人が、AIを仕事で試している。
使った依頼文も共有してくれた。
でも、別の社員が同じように使おうとすると、どんな材料を渡せばいいのか、返ってきた答えをどう直せばいいのかが分からない。
会社でAIを使うとき、こんな場面があるかもしれません。
個人の工夫を、ほかの人も試せる形にする。そのときは、依頼文の前後にも残しておきたいことがあります。
依頼文の前と後にある仕事
例えば、会議メモから「次にすること」を整理する仕事を考えてみます。ここからは、説明のための架空の例です。
共有された依頼文には、こう書いてあるとします。
「この会議メモから、次にすることを整理してください」
それだけを受け取った人には、まだ分からないことが残ります。
使うメモには、決まったことと検討中のことが分けて書いてあるのか。担当者や期限は、どこまで決まっているのか。
AIが整理した後は、人が元のメモと照らし合わせるのか。書かれていない担当者や期限が補われていたら、どう扱うのか。
依頼文を渡すだけでは、その人が何を準備し、どこを確認したかまでは伝わりません。
「人が直したところ」も、残しておく
AIへの頼み方を工夫することは大切です。
同じように、返ってきた答えを人がどう確かめたかも、次に使う人の材料になります。
先ほどの架空の仕事なら、「担当者と期限は元のメモにある内容だけを使い、決まっていないものは未定とする」「検討中の話が決定事項になっていないか確認する」といった点です。
完成した一覧だけを見るより、確認する場所が具体的に分かりますよね。
うまくいった結果だけでなく、修正が必要だったところも、短く残す。
それは失敗を記録するためというより、次の人が同じ仕事を試すときの手がかりを増やすためです。
一件だけ、四つの項目で残してみる
最初から立派な社内マニュアルにする必要はありません。
まずは共有できる仕事を一件選び、短いメモにしてみます。
- 目的:何の仕事を、どこまで進めるために使ったか。
- 材料の条件:どんな情報を用意して渡したか。
- 依頼文:AIに何を頼んだか。
- 確認・修正:人がどこを確かめ、何を直したか。
実際のお客様の情報や社内の秘密を、そのまま共有例に貼り付ける必要はありません。説明用の架空の材料に置き換える場合は、そのことも明記します。
別の人が試すときは、元の仕事との違いも確認します。材料や目的、使うサービスの条件が変われば、同じ依頼文でも同じ結果になるとは限りません。
このメモは、誰でもそのまま使えば完成する保証ではなく、次の人が試し、確かめるための出発点です。
一人の工夫を、会社で育てていく
AIを使える社員を一人増やすことと、その社員がいない場でも仕事を進められること。そこには、もう一段、考えることがあると思います。
何を渡して、何が返ってきて、人がどこを判断したのか。
その過程が少し見えるだけでも、次の人は質問を具体的にしやすくなります。
まずは、よく使う仕事を一つ。依頼文の前後にある工夫も、一緒に残してみませんか。
YBBでは、経営者の希望と社員・現場の実情を聞き、一つの実業務からAI活用や業務改善を一緒に試します。社員が自分たちで使い、試し、改善するための土台も大切にしています。
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