社員と一緒にAIで下書きを作ってみた。ひとまず形にはなった。でも、これからも会社の仕事で使っていくかと聞かれると、まだ判断しにくい。
「便利でした」「もう少し試したいです」。その感想は大切です。ただ、それだけでは、次に何を続けて、何を直すかまでは決めにくいこともあります。
一度の試行を、成功か失敗かの二択で終わらせず、次の判断の材料にしてみませんか。
「できた」の中身を、仕事の単位で見る
例えば、社内向けの報告文をAIで下書きする場面を考えます。これは、実在する会社の実績ではなく、振り返り方を説明する架空の例です。
文章が出てきたことと、そのまま会議で使える報告文になったことは同じではありません。材料をそろえる作業、下書きを作る作業、数字や表現を確認する作業が、それぞれあります。
まずは、今回AIで試せたのがどの部分だったかを確かめます。「報告業務を任せられた」と大きくまとめず、「メモから文章の下書きを作った」と分けると、担当社員とも話を合わせやすくなります。
残しておきたい、三つのこと
長い評価表を作る前に、次の三つを、実際に担当した社員と確認してみてください。
- 任せられた作業
どこまでなら、今回の材料と頼み方で進められたか。使えなかった部分も分けて残します。 - 人が確かめたこと
何を見直し、どこを直したか。元資料との照合や、社外へ出す前の判断を誰が担ったかも確認します。 - 次に変える条件
材料、頼み方、確認方法のうち、次の一回で何を一つ変えるかを決めます。
実際にかかった時間が分かるなら、準備と確認を含めて記録しておくと、判断の材料になります。測っていなければ、「時間は未計測」のまま残します。感覚だけで、何割効率化できたと数字にする必要はありません。
続ける以外の選択も、試した結果になる
振り返ってみると、その作業は今の方法で続けられそうだと分かるかもしれません。材料をそろえて、もう一度試したい場合もあるでしょう。
逆に、確認の負担が大きい、扱う情報の条件が整わない、今は優先度が低いと分かることもあります。その場合は、いったん止めたり、別の作業を選んだりして構いません。
AIを使い続けることだけが、試行の目的ではありません。今の会社の仕事に照らして、使う範囲を選べることが大切だと思います。
誰が入力し、誰が確かめるかが曖昧なまま、対象だけ広げる必要はありません。一つの仕事で見えた課題を、次の小さな試行へつなげます。
次の一回を決めて、振り返りを終える
「今後も活用しましょう」で終わると、忙しい日常の中では、何をすればよいか分からなくなることがあります。
例えば「次の報告文でも下書きだけ試す。元の数字を担当社員が照合し、会議へ出す前に確認担当へ渡す」。このように、対象と確認する人を決めておく。
期限や担当を決められないなら、その理由も次の検討材料です。無理に導入済みと呼ぶ必要はありません。
YBBの6週間AI導入チャレンジでも、一つの実業務で試し、改善し、振り返って次の方針を考えることを大切にします。6週間で全社への導入や成果を保証するものではありません。
経営者の希望と、実際に仕事をする社員の状況。その両方から、どこまで試し、何を確かめたいかを一緒に整理します。
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